クロスカラーウォーズ 第三話:交錯する因縁、明かされる真実

クロスカラーウォーズ
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クロスカラーウォーズ 第三話:交錯する因縁、明かされる真実

場所: 東京湾埠頭の巨大倉庫内部、謎の組織の施設。

時間: 特殊部隊の介入直後。

謎の組織の電磁波妨害装置によって能力を封じられた七色のスナイパーたちは、絶体絶命の窮地に陥っていた。黒い特殊スーツに身を包んだ兵士たちが麻痺効果のある光弾を放ち、彼女らを追い詰める。

【白チームの反撃】

白石希は、莉々花の手を引き、倉庫の奥へと撤退しながらも、冷静に周囲の状況を分析していた。能力は封じられているが、彼女の卓越した戦術眼は健在だった。

「莉々花、落ち着いて。能力が使えなくても、私たちは訓練を積んできた。この状況を打破する鍵は、必ずある」

希は、莉々花を庇いながら、麻痺弾をかわし、倉庫内に積み上げられたコンテナの陰に身を隠した。

特殊部隊の兵士たちが、容赦なくコンテナの陰へと追い詰めてくる。希は、ポケットから小さなナイフを取り出した。それは、彼女が常に携帯している、護身用のサバイバルナイフだった。

「麻痺弾は、身体の動きを一時的に奪うだけ。致命傷ではないわ」希は、ナイフを構え、迫り来る兵士の一人へと飛び出した。

兵士は、希の素早い動きに反応できず、希は兵士の銃を持つ腕にナイフを突き立てた。

ガキンッ!

ナイフは、兵士の特殊なスーツに阻まれ、深々と刺さることはなかった。しかし、その衝撃で兵士は体勢を崩し、銃口が上を向いた。

その隙を逃さず、莉々花が兵士の足元に飛び込み、体当たりを食らわせる。兵士はバランスを完全に崩し、地面に倒れ込んだ。

「よし、莉々花!」希は、莉々花を褒めると、倒れた兵士の銃を奪おうとする。

しかし、その瞬間、仮面の人物が、冷徹な声で倉庫内に響かせた。

「無駄な抵抗だ。貴様らの身体能力も、我々の兵士には及ばない。素直に捕らわれろ」

仮面の人物の指示により、別の兵士たちが希と莉々花に麻痺弾を連射する。希は、咄嗟に莉々花を庇い、自身が麻痺弾を受けた。

バチィン!

希の身体に、強烈な電撃が走り、彼女の動きが一瞬にして止まる。

「姉さん!」莉々花が、悲痛な叫び声を上げた。

【黒チームの突破】

黒崎夜音影月闇音は、能力を封じられながらも、倉庫の奥深くへと撤退を続けていた。夜音は『シャドウリーパー』を杖のように使い、闇音夜音を支えながら、迫り来る兵士たちから身を隠していた。

「くそっ、このままでは、あの組織の手に落ちるだけだ!」夜音が、歯噛みするように呟いた。

「夜音、見て!あの仮面の奴の背後!」闇音が、指をさした。

仮面の人物の背後には、彼らが開いた巨大な鉄扉の奥に、さらに奥へと続く暗い通路が見えていた。その通路からは、微弱ながらも、電磁波妨害装置とは異なる、別の電磁波の反応が感じられた。

「あれは…組織の施設への、もう一つの入り口か…?」夜音の瞳に、かすかな希望の光が宿る。「闇音、あそこよ!あそこへ向かうわよ!」

夜音は、残された僅かな力を振り絞り、闇音と共に暗い通路へと飛び込んだ。兵士たちが、麻痺弾を連射しながら追いかけるが、夜音たちは、通路の闇へと消えていった。

「逃がすか…!」仮面の人物は、夜音たちの行動に、わずかな苛立ちを見せた。

【赤チームの激戦】

緋村茜と赤坂椿は、倉庫入り口付近で、特殊部隊と激しい肉弾戦を繰り広げていた。茜は、能力が使えなくとも、その持ち前の身体能力と格闘術で兵士たちに立ち向かっていた。

「てめぇら、私を舐めるなよ!こんなもんで、私がやられるわけねぇだろ!」茜は、叫びながら兵士の一人を投げ飛ばした。

椿は、麻痺弾をかわしながら、茜の死角をカバーするように、的確な指示を出す。

「茜、右!三時の方向から敵が来るわ!」

「分かってんだよ、椿!」

しかし、特殊部隊の兵士たちは、圧倒的な数で茜と椿を包囲していく。麻痺弾を避けきれず、茜の身体に電撃が走った。

バチィン!

「ぐっ…!」茜は、膝をついた。

「茜!」椿が、叫んだ。

その時、倉庫の入り口付近で、激しい爆発音が轟いた。向日葵ひまわりと柚葵の『黄』チームが、倉庫内に積み上げられたコンテナを爆破し、突破口を開いたのだ。

「みんなー!大丈夫ー!?」ひまわりの元気な声が響き渡る。

「ひまわり姉ちゃん、早く逃げないと!」柚葵が、茜と椿に手を差し伸べる。

「黄色…!」茜は、ひまわりたちの登場に、驚きを隠せないでいた。

「茜、今は抵抗する時じゃないわ!一旦退きましょう!」椿は、茜を促し、ひまわりたちと共に爆破されたコンテナの隙間から、倉庫の外へと脱出を図った。

【緑と紫の交錯】

緑川葉月と風葉芹歌は、倉庫の入り組んだ通路で、村崎菫と紫蝶魅音の『紫』チームと遭遇していた。お互いの能力は封じられているものの、両チームの間には、依然として緊張感が漂っていた。

「あら、緑の森の守り人さんたち。あなたたちも、この状況を楽しんでいるのかしら?」菫が、妖艶な笑みを浮かべた。

「村崎菫…あなた方も、あの組織の手に落ちるつもりはないでしょう」葉月は、静かに言った。

その時、組織の特殊部隊が、両チームへと接近してきた。

「ここは、一時休戦よ。菫。あの組織の手に落ちるわけにはいかない」葉月が、提案した。

菫は、葉月の提案に、妖しく微笑んだ。「フフフ…面白い。協力して、この場を切り抜けるというの?」

両チームは、互いに警戒しつつも、組織の特殊部隊をかわしながら、倉庫の別方向へと撤退を開始した。

【仮面の人物の嘲笑】

倉庫の中央で、仮面の人物は、逃走を図る七色のスナイパーたちを、冷徹な視線で見つめていた。

「所詮は、野生の獣ども。能力が封じられれば、この程度のものか」

仮面の人物は、再びデバイスを操作した。

ピッ…!

デバイスから発せられる電磁波が、さらに強まる。

倉庫内には、不気味な電子音が響き渡り、狙撃手たちの脳裏に直接、幻覚のような映像がフラッシュバックする。

それは、それぞれの故郷が破壊される瞬間、親しい者が苦しむ姿、そして謎の組織の実験施設で苦しむ人々の姿…

「ぐあああああ…!」緋村茜が、頭を抱えて叫んだ。

「姉さん…あれは…!」莉々花が、怯えた声で希にしがみつく。

「これは…精神攻撃…!?」天海葵が、苦しそうにうめいた。

仮面の人物は、狙撃手たちの苦しむ姿を見て、嘲笑するように言った。

「これが、貴様らの『因縁』だ。そして、我々の『最終実験』は、貴様らの精神をも支配する」

七色の狙撃手たちは、肉体的、精神的な両面から追い詰められ、完全に無力化されようとしていた。

因縁と陰謀、そして明かされる真実が交錯する「クロスカラーウォーズ」。

物語は、ここから、さらに先の局面へと突入する。

第三話:交錯する因縁、明かされる真実(最終章:反撃の狼煙)

場所: 東京湾埠頭の巨大倉庫内部、謎の組織の施設。

時間: 仮面の人物による精神攻撃の直後。

仮面の人物が発動させた電磁波と精神攻撃により、倉庫内は地獄と化した。七色のスナイパーたちは、能力を封じられた上に、過去の悲劇的な記憶や、組織の実験による苦痛の幻覚を見せつけられ、完全に無力化されようとしていた。

【絶望の中の一筋の光】

高周波音と精神的な苦痛の波に襲われ、白石希は膝をついた。莉々花は、姉に抱きつき、震えながら泣いている。希の脳裏には、彼女たちの故郷の森が炎上する映像がフラッシュバックしていた。

「くっ…これが…組織の狙い…精神の支配…!」希は、歯を食いしばる。

「姉さん…怖いよ…」莉々花の声が、希の耳元で途切れ途切れに響く。

その時、希は、莉々花の震える体温を感じた。それは、幻覚ではなく、現実の、確かな温かさだった。

『私たちは…私たち自身を、裏切らない!』

希の心の中で、**『純白の裁き』**という揺るぎない使命感が、精神攻撃の闇を切り裂いた。彼女の力は組織によって与えられたものではない。彼女と莉々花、二人で困難を乗り越えるために培ってきた、絆の力だ。

「莉々花…大丈夫よ」希は、震える手で、莉々花を抱きしめ返した。「幻覚に惑わされないで。私たちの『純白の裁き』は、まだ終わっていないわ!」

その言葉が、莉々花の心に届いた。莉々花は、涙を拭うと、姉と同じように歯を食いしばった。

【能力の『解放』】

同じ頃、倉庫の隅で麻痺弾を受け、壁に磔にされかけていた天海葵は、理性の限界を迎えていた。彼女の脳裏にも、親友である緋村茜との決裂の瞬間、そして自身の体がサイボーグへと変貌していく過程の苦痛がフラッシュバックしていた。

『私は…完璧な狙撃手でなければならない…!』

葵の瞳は、激しい苦痛のあまり、一瞬だけ、青い光を失った。しかし、その直後、彼女の体に埋め込まれたサイバーシステムが、電磁波妨害を無理矢理こじ開けようとするかのように、激しくスパークした。

バチバチバチッ!

葵の背後に控えていた蒼井凛の『ドローンウイング』が、まるで制御を失ったかのように、激しいノイズと共に光を放ち始めた。

「凛…!システムを…無理矢理、解放しなさい…!」葵は、かすれた声で命令した。

凛は、マスターの命令に従い、全身の制御を強引に解除した。その瞬間、電磁波妨害を一時的に突破し、葵の『ブルースキャン』が再起動した。

『ターゲット:仮面の人物が持つデバイス。距離70メートル。電磁波の揺らぎを計算…!』

葵は、麻痺で動かない身体に鞭を打ち、片腕に残された僅かな力を使い、『アクアストライカー』を構え直した。

【黒チームの決断と黄チームの協力】

倉庫の奥へと逃げ込んだ黒崎夜音影月闇音は、幻覚の苦痛に耐えながら、目の前の暗い通路へと進んでいた。

「夜音…もう、限界よ…!」闇音が、よろめいた。

「闇音、諦めないで!この奥に、真実があるんだ!」夜音は、闇音を抱きかかえながら、必死に進む。

その時、倉庫の入り口付近から、ひまわりの元気な声が響いた。

「黒い人たちー!大丈夫ー!私たちが、道を開けるよー!」

緋村茜と赤坂椿、そして向日葵ひまわりと柚葵の『黄』チームが、特殊部隊を突破し、倉庫の内部へと再び侵入してきたのだ。

ひまわりは、苦痛に喘ぐ夜音たちを見つけると、躊躇なく『サンバースト』を構えた。

『サンフラッシュ』!

閃光弾は、夜音たちが隠れている通路の入り口を塞ぐように、特殊部隊の足元を爆発させた。

「てめぇら、早く行け!ここは、私たちが食い止める!」茜が、特殊部隊と激しい肉弾戦を再開した。

「茜…!」夜音は、一瞬だけ茜に視線を向けると、闇音と共に暗い通路の奥へと消えていった。

【緑と紫の交錯】

緑川葉月と風葉芹歌は、倉庫の入り組んだ通路で、村崎菫と紫蝶魅音の『紫』チームと遭遇していた。お互いの能力は封じられているものの、両チームの間には、依然として緊張感が漂っていた。

「あら、緑の森の守り人さんたち。あなたたちも、この状況を楽しんでいるのかしら?」菫が、妖艶な笑みを浮かべた。

「村崎菫…あなた方も、あの組織の手に落ちるつもりはないでしょう」葉月は、静かに言った。

その時、組織の特殊部隊が、両チームへと接近してきた。

「ここは、一時休戦よ。菫。あの組織の手に落ちるわけにはいかない」葉月が、提案した。

菫は、葉月の提案に、妖しく微笑んだ。「フフフ…面白い。協力して、この場を切り抜けるというの?」

両チームは、互いに警戒しつつも、組織の特殊部隊をかわしながら、倉庫の別方向へと撤退を開始した。

【七色の集中攻撃】

葵の『ブルースキャン』が、仮面の人物の持つデバイスの正確な位置を割り出した。

「白石希、緑川葉月、村崎菫…聞いているか!?仮面の人物の持つデバイスを破壊する!一斉射撃だ!」葵は、通信が不安定な中、可能な限りの声で、残された狙撃手たちに呼びかけた。

能力が一時的に回復した希が、応答する。

「了解!ターゲットの座標を共有しなさい、天海葵!」

倉庫の入り組んだ通路の影から、緑川葉月と村崎菫が姿を現した。二人は、一時的に休戦し、組織の兵士たちを足止めしていた。

「森の囁き、聞かせてもらうわ!」葉月は、幻覚の苦痛に耐えながら、『フォレストウィスパー』を構えた。

「フフフ…面白い展開になってきたじゃない。乗せてもらうわよ」菫は、妖艶に微笑みながら、『ヴァイオレットファントム』を構える。

七色のスナイパーたちの、因縁を超えた、奇跡的な連携が成立した瞬間だった。

希、葵、葉月、菫。そして、茜とひまわり。

全ての狙撃手の銃口が、一斉に仮面の人物の持つデバイスへと向けられた。

「一斉射撃(クロスファイア)!!」

七色の光弾が、倉庫の闇を切り裂き、仮面の人物が持つデバイスへと向かって、集中砲火を浴びせた。

ババババババンッ!!

デバイスは、七色の銃弾の直撃を受け、凄まじい閃光と共に粉々に砕け散った。

その瞬間、倉庫内に響き渡っていた高周波音が、ピタリと止まる。狙撃手たちの能力を抑制していた電磁波妨害が、完全に解除されたのだ。

「成功したわ…!」希は、安堵の息を漏らした。

【仮面の人物の正体と真実の扉】

仮面の人物は、デバイスの破壊に、一切動じることなく、静かに両手を広げた。

「…素晴らしい。これが、『選ばれた者』の力か」

仮面の人物の声には、冷徹さの中に、どこか満足感が混じっていた。

「貴様ら…一体、何者なんだ!?」緋村茜が、怒りを込めて叫んだ。

仮面の人物は、静かに仮面を外した。

その素顔は、七色のスナイパーたちが誰も見たことのない、しかし、どこか知的な雰囲気を纏った、若い男性の顔だった。

「私の名は、『コードネーム:ゼロ』。この『クロスカラーウォーズ』の全てを統括する者だ」

ゼロは、砕け散ったデバイスの破片を見つめながら、不敵に微笑んだ。

「真実は、貴様らがその目で確かめるといい。この奥にある、我々の**『最終実験施設』**でな」

そして、彼は、特殊部隊と共に、倉庫の奥へと消えていった。

後に残されたのは、能力を取り戻した七色のスナイパーたちと、謎の組織の施設へと続く、暗い通路だけだった。

「最終実験施設…」希は、覚悟を決めたように、『シルバーランス』を構え直した。

「莉々花、行くわよ。この先で、全ての因縁と真実を清算する」

七色のスナイパーたちは、互いに複雑な視線を交わしながらも、それぞれの因縁と使命を胸に、組織の最終実験施設へと続く、暗い通路へと足を踏み入れた。

第三話:完

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