ソラの罪歌(つみうた):裏切られた革命と二つの命の箱舟 第六話 知識の解放:箱舟のと新たな旋律 

ソラの罪歌(つみうた)
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第六話 知識の解放:箱舟のと新たな旋律

1. アルマの真の目的

帝都郊外の廃墟。ゼニスの爆発から辛うじて逃れたリディアスは、アルマからの暗号通信に耳を疑った。

「リディアス・ソラ。逃亡者、NO.3772。貴様は我が計画の、最も重要な駒となった。感謝する」

「どういうことだ、アルマ!」リディアスは憎悪を込めて叫んだ。

アルマの声は、冷たく、そしてどこか諦めに満ちていた。

「7年前、私が革命を裏切って最高指導者になったのは、貴様らが『アーク』と呼ぶ旧文明の知識の箱舟の真実を知ったからだ。アークには、エネルギー、医療、全ての知識が詰まっている。しかし、同時に**『世界の崩壊を招く知識』**も封印されていた」

リディアスは息を呑んだ。

アルマは続けた。「旧文明は、その知識を使って自らを滅ぼした。アークの深層には、世界を再び無に帰す最終兵器の起動プロトコルが眠っている。それは**『ソラの罪歌(つみうた)』**。カノンは、アークの知識を解放しようとしていた。もし彼が成功すれば、人類は再び破滅的な知識に手を出すだろう」

アルマの真の目的は、知識の独占ではなく、危険な知識の封印だったのだ。そして、彼女は長年の間にアークの防衛システムが老化していることを知っていた。

「私の計画は、貴様たちゲリラを利用して、アークへの侵入経路を破壊させることだった。そして、私が結婚式という混乱の中で、アークに乗り込み、ソラの罪歌を完全に消去する**『知識の検疫プログラム』**を起動させる。そのために、最も憎悪に満ち、最も侵入能力に長けた駒、貴様が必要だった」

アルマは、リディアスの家族を処刑したことも、彼をテロリストに仕立て上げたことも、すべてがこの最終目標のための冷酷な舞台装置だったと告白した。

「今、アークの防衛システムは貴様が突破したことで崩壊寸前だ。プロトコル起動まで残り30分。リディアス、貴様がその正義を貫きたいのなら、阻止してみせろ。しかし、知っておけ。貴様が知識を解放すれば、世界は再び滅びる」

通信は途絶えた。リディアスは、自分が7年間抱いた復讐心、ゼニスの犠牲、カノンの使命、全てがアルマの掌の上で踊らされていたことを悟った。

2. 天空の箱舟への潜入

リディアスは憎悪を乗り越え、決断を下した。アルマの言うことが真実でも、知識を一部の独裁者が永遠に封印することは、未来の可能性を殺すことだ。彼はカノンの言葉を信じることにした。

「知識は共有され、議論されることで初めて、人類を真の進化へと導く」

彼は、ゲリラ時代の最後の装備を手に、帝都上空に浮かぶ巨大なデータセンター「アーク」へと向かった。アークは、白い流線型の機体で、旧文明の技術の粋を集めた、文字通り天空の箱舟だった。

リディアスは、ゼニスが破壊工作に使った脱出ポッドの残骸を利用して、警備網をくぐり抜け、アークの緊急メンテナンスドックに強行着陸した。

アーク内部は、無機質な白と青の光に満ちていた。リディアスは、アルマが向かっているであろう中枢コアを目指し、知識が封印された通路を走った。彼の道中、アルマが起動させた無数の防衛ドローンが彼を襲うが、リディアスは7年間の研鑽で得た戦闘技術を駆使し、それを突破した。

3. コアでの最終対決

リディアスが中枢コアにたどり着いたとき、アルマは巨大なメインフレームの前に立っていた。彼女の手が、最終検疫プロトコルの起動スイッチに触れようとしていた。

「遅かったな、リディアス」アルマは振り返ることなく言った。「私がこの知識を消去すれば、貴様が抱いた復讐も、カノンが抱いた理想も、すべて無に帰す」

「そうはさせない!」リディアスは飛び込んだ。「知識を封じることは、人間であることを止めることだ! 失敗から学ぶ機会さえ奪う、真の独裁だ!」

リディアスは、アルマを突き飛ばし、プロトコル起動を阻止しようとメインフレームに手を伸ばした。

アルマは冷静に彼を迎え撃った。彼女もまた、旧文明の技術を応用した戦闘スーツを身に纏っていた。最高指導者としてではなく、世界の守護者として、彼女はリディアスの前に立ちはだかった。

二人の戦闘は、アークの中枢で火花を散らした。リディアスは、アルマが持つ技術と力に圧倒されながらも、憎悪ではなく、世界を変えるという強い意志で戦った。

4. 知識の解放と罪歌の解除

その時、アーク全体に、一時的なシステムエラーの警報が鳴り響いた。

『警告:外部アクセスによる広範なデータストリームのリークを確認!』

リディアスとアルマは同時に動きを止めた。

それは、地上にいたエル・マリアとアンによる行動だった。エル・マリアは、リディアスから託されたアクセスキーと、彼女が知る宮殿の機密情報を組み合わせ、「ソラの罪歌」以外の、人類にとって有益な知識(クリーンエネルギー、食糧生産技術、古代の歴史)のデータストリームを、帝都の公共ネットワークに向けて一斉に解放したのだ。

地上では、市民たちの端末が一斉に光を放った。最初は混乱に包まれたが、飢餓を終わらせる知識、病気を治す技術が広がり始めると、人々の顔に驚きと希望の光が灯った。

アルマは信じられないものを見るように、エラーメッセージを見つめた。

「エル・マリア……裏切ったのか……」

「アルマ!」リディアスは叫んだ。「見ろ! 知識は制御ではなく、善意によって解放されなければならない! あなたの独裁は終わった!」

リディアスの言葉、そして娘の行動が、アルマの信念を揺さぶった。彼女の目から、長年の重圧が解放されるような、微かな涙が溢れた。彼女は、力による支配の失敗を悟った。

「そうか……これが、貴様らの正義か……」

アルマは、検疫プログラムの起動を諦めた。そして、最後の力を振り絞り、リディアスに最後の真実を告げた。

ソラの罪歌は、プロトコルそのものではない。それは、アークの自爆タイマーだ。知識が解放された場合、アーク全体を破壊し、この技術を二度と人類に渡さないための最終防衛システム……貴様の復讐心が引き起こした、最終警告だ」

アルマは、リディアスに最後のアクセス権を渡し、自ら最終兵器の起動シーケンスを停止させようとメインフレームに身を捧げた。

「ソラの罪歌は、私自身の罪だ。私がここで終わらせる。貴様は行け、リディアス。新たな世界を、娘と共に見届けろ

アーク全体が激しく振動し始めた。リディアスは、アルマを連れ出そうとしたが、アルマは首を横に振った。

リディアスは、復讐の標的であったアルマを救うことも、憎悪を晴らすこともできないまま、崩壊するアークから脱出ポッドで地上へ向かった。

エピローグ:新たな旋律

数週間後、世界は一変していた。

アークは半壊し、その残骸は帝都の郊外に静かに横たわっていた。アルマは行方不明となり、**「知識の検疫プログラム」**と共に、ソラの罪歌も永遠に消滅したと見なされた。

帝都は、最高指導者を失ったが、崩壊はしなかった。

エル・マリアは、**「知識の解放者」**として、アンと共に新生政府の設立を指導していた。彼らは、アークから解放された知識を基に、より公正で平等な社会の再建に着手していた。武力による革命ではなく、知識と善意による、静かな革命だった。

リディアスは、二度と公の場に姿を現さなかった。彼は、ゼニスやカノン、そしてアルマの犠牲を胸に、**「ソラの罪歌」**という憎悪の連鎖を断ち切ったことを知っていた。

彼の姿は、かつてR区の廃墟だった場所にあった。彼は、カノンから託された最後のメッセージを思い出した。

「リディアス、君が憎悪を乗り越えた時、君の人生は、誰かのための希望の旋律になるだろう」

リディアスは、エル・マリアが解放した知識のおかげで、もはや奴隷ではない、自由な人々の顔を見て微笑んだ。彼の復讐の旅は終わった。今、彼は、カノンの言う**「新たな旋律」**を奏でる、新しい世界の始まりを見届けていた。

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ソラの罪歌(つみうた)未分類現実逃避のAI小説家
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