クロスカラーウオーズ|平安異聞「七色ノ裁キ」|第九話:七色の終焉、最後の共闘

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第九話:七色の終焉、最後の共闘

一. 紅蓮の壁と、純白の霊力

緋村 茜(赤)の紅蓮の炎の結界は、地下中枢の無色の瘴気を一瞬だけ押し戻した。しかし、祭壇から放たれる雪斎(無色の存在)の力は、あらゆる**『色』**の霊力を中和する。茜の炎は、雪斎の肉体へ届く前に、急速にその勢いを失っていった。

「無駄だ、緋村茜。お前の情熱も、私の無の理の前では、単なるに過ぎない」

雪斎は、拘束した咲耶を人質に取ったまま、祭壇の吸引装置を最大出力で起動させた。耀の純白の霊力が、強制的に雪斎のコアへと引きずり込まれ、耀の肉体から生命力が奪われていく。

「姉様!」咲耶の悲鳴が響く。

「耀!耐えろ!」茜が結界を強化しようとするが、雪斎は吸引の余波で放った無色の波動によって、茜を弾き飛ばした。

二. 翠玉と紫苑の参戦

絶体絶命のその時、地下へと続く石扉から、二つの新たな霊力が乱入した。

一つは、翠葉 葉月(緑)の翠玉の霊力。葉月は、森の命を癒す力で、雪斎の吸引装置によって枯渇し始めた耀の霊力経路に、生命の根を送り込み、霊力の流出を食い止めようとした。

「間に合ったか、翠葉葉月。お前の治癒力も、結局は私に吸収される運命だ」雪斎が嘲笑う。

葉月の援護は、耀の霊力枯渇を遅らせるのが精一杯だった。

その直後、もう一つの霊力が空間全体を包んだ。それは、藤の宮 菫(紫)の魅了の呪言紫苑の幻術だった。

「…貴様の無色は、退屈で醜い」菫の妖艶な声が響く。

祭壇全体が、一瞬にして極彩色の幻影に覆われた。それは、雪斎が過去に吸収し、色を奪った七色の異能者たちの悲痛な顔であり、雪斎の意識をわずかながらも攪乱させた。

「幻影だと?小賢しい!」雪斎は幻術を振り払おうと、無色の霊力を乱射する。

三. 咲耶の救出と、七色の連携

この一瞬の隙!

赤坂 椿(赤)が、素早く葵(青)に視線を送り、作戦を開始した。

  1. 青(葵): 幻術の乱れによって生じた雪斎の霊力防壁の最小の穴を、水鏡の予言で特定する。
  2. 黄(向日葵・ゆうき): 向日葵が光速の呪布で雪斎の視界を完全に遮断し、ゆうきが霊力の糸を光速で走らせ、咲耶を拘束するパイプを精密に切断する。
  3. 赤(椿): 咲耶が解放された瞬間、椿が焔玉の設置で雪斎の足元に霊力トラップを仕掛け、彼を祭壇から一時的に引き剥がす。

「咲耶!」

解放された咲耶は、憔悴しながらも、すぐさま葵と椿の守りの下に退避した。人質を失った雪斎は、激しい怒りに震えた。

「お前たち…色のついた愚かなる塵め!」

雪斎は、祭壇の無色のコアから、七色の異能を融合させた究極の無色の波動を放つ。それは、空間の霊力すべてを消し去る、絶対的な終焉の力だった。

四. 耀の覚悟と、コアへの逆流

「もう、逃げない!」

耀は、自らの霊力が極限まで吸い上げられながらも、雪斎の吸引装置と完全に霊力同調を果たした。彼女は、無色の瘴気を恐れるのではなく、自らの純白の意志で受け入れた。

「天海葵!私を起点に、七色の霊力を逆流させる回路を計算しろ!」

葵は、耀の肉体が限界であることを知りながらも、その意志の強さを信頼し、即座に情報解析を開始した。

「計算完了!回路は七重。白石耀のコアが、すべての色の力を逆流させるための最終的なアンカーとなる!」

七色の終焉の共闘、開始!

  • 緑(葉月): 翠玉の結界で、耀の霊力の生命維持回路を安定させ、崩壊を防ぐ。
  • 紫(菫): 紫苑の幻術で、祭壇周辺の雪斎の霊力制御を最大限に阻害し続ける。
  • 赤(茜): 紅蓮の炎で、祭壇全体を焼き尽くす**「浄化の炎」**を放ち、雪斎をコアから引き離す。
  • 黒(夜音): 闇夜の呪詛を凝縮し、祭壇に直結する七つの霊力パイプの接合部を、同時に精密攻撃。
  • 黄(向日葵・ゆうき): 光速の呪布と霊力の糸で、夜音の攻撃を超精密に補強し、接合部の破壊を確実にする。
  • 青(葵): 水鏡の予言で、すべての攻撃の時間軸と霊力密度を監視し、**「誤差ゼロ」**の完璧な連携を指示する。

五. 裁きの成就と、色の回帰

夜音の呪詛と黄の呪布が、七つのパイプ接合部を正確に破壊した!

その瞬間、耀が全身全霊の純白の霊力を、雪斎の吸引装置に叩きつける。

「私の純白は、無色ではない!都のを、貴様の邪悪な無の理から解放する!」

破壊されたパイプから、奪われていた七色の霊力が、耀の純白の霊力をコアとして、雪斎の肉体へと一気に逆流し始めた。

雪斎は、自らが完成させようとした**「無の力」**によって、肉体と霊力を逆さまに破壊されていく。彼の肉体から、吸収した七色の残滓が、悲鳴を上げながら噴き出した。

「馬鹿な…色が…私を…否定するだと…!」

雪斎の異形の肉体は崩壊し、祭壇の無色のコアは砕け散った。地下中枢全体が激しい霊力爆発を起こし、光と共に崩れ落ちていく。

耀は、妹の咲耶の腕の中で意識を失った。

**「七色ノ裁キ」は、「無色の存在」**を打倒し、ついに終焉を迎えた。

崩壊する地下から脱出した七色の異能者たちは、夜明け前の都の闇の中で、傷ついた仲間たちを抱きかかえ、互いの**「正義」**の先にあった、新しい夜明けを待っていた。

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